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心理学

ナラティブとは

概要

ナラティブ (narrative) とは、出来事や経験を時系列、因果関係、登場人物の視点を通じて構成した物語的な語りを指す。人間の脳は、断片的な情報よりも物語の形で提示された情報を記憶しやすく、感情的にも強く反応する。これをナラティブ・トランスポーテーション (物語への没入) と呼ぶ。

事実の羅列は忘れられるが、物語は記憶に残る。「日本の年間降水量は約 1,700mm です」という情報は忘れるが、「あの夏、突然の豪雨で帰れなくなった夜」という物語は覚えている。質問箱の回答も同じだ。情報として正確でも、物語として語られていなければ読者の心には残らない。

質問箱の回答とナラティブ

質問箱の優れた回答には、ナラティブの要素が含まれていることが多い。「○○についてどう思いますか?」という質問に対して、辞書的な定義を返すのではなく、自分の経験を交えて語る。「以前、自分も同じことで悩んだことがある。そのとき○○して、結果として△△になった」。この語り方は、読者を物語に引き込む。

効果的なナラティブには構造がある。状況の提示 (こういう場面で)、葛藤の発生 (こういう問題が起きて)、行動と結果 (こうしたらこうなった)、学び (そこから分かったのは)。この構造を意識するだけで、回答の説得力と記憶への定着率が大きく変わる。

ナラティブの注意点

ナラティブには力があるからこそ、注意も必要だ。物語は感情に訴えるため、論理的な正確さが犠牲になることがある。感動的なエピソードで語られた回答が、事実としては不正確だったり、一般化できない個人的な経験だったりする。

また、すべての質問にナラティブで答える必要はない。「○○の設定方法を教えてください」のような事実を求める質問には、簡潔な回答の方が適切だ。ナラティブが効果的なのは、価値観、経験、感情に関わる質問だ。質問の性質に応じて、ナラティブと情報提供を使い分ける判断力が、回答者のスキルだ。

心理学の知見を日常に活かしたい方は、心理学の関連書籍も参考になります。

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