フレーミング効果とは
概要
フレーミング効果 (framing effect) とは、同一の情報であっても、その提示方法や表現の枠組み (フレーム) が異なると、受け手の判断や意思決定が変化する現象を指す。行動経済学者ダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーが 1981 年に発表した「アジアの疾病問題」の実験で広く知られるようになった。
「手術の成功率は 90%」と「手術の失敗率は 10%」は同じ事実だが、前者の方が安心感を与える。「脂肪分 25% カット」と「脂肪分 75% 含有」も同じ商品だが、印象は全く異なる。人間は情報の内容ではなく、情報の見せ方に強く影響される。
質問のフレーミング
質問箱では、質問の聞き方がフレーミング効果を生む。「質問箱をやっていて嫌だったことは?」と「質問箱をやっていて良かったことは?」は、同じ人の同じ経験について聞いているのに、引き出される回答は全く異なる。前者はネガティブな記憶を、後者はポジティブな記憶を選択的に呼び起こす。
質問者がこの効果を意識しているかどうかで、質問の質が変わる。「なんで質問箱やめないの?」というフレーミングは、質問箱を続けることが異常であるという前提を含んでいる。「質問箱を続けている理由は?」なら、同じ内容を中立的に聞ける。フレーミングは質問者の意図を暗に伝えてしまう。
回答のフレーミング
回答者もフレーミング効果を使う側になれる。同じ内容を伝えるにしても、フレームの選び方で読者の受け取り方が変わる。
例えば、質問箱の利用者数について「月間アクティブユーザーの 30% しか質問を送っていない」と書くか、「月間アクティブユーザーの 30% が積極的に質問を送っている」と書くか。事実は同じだが、前者は参加率の低さを、後者は参加の活発さを印象づける。
回答者として意識すべきは、自分が無意識にどんなフレームを使っているかだ。ネガティブなフレームで回答すれば読者の不安を煽り、ポジティブなフレームで回答すれば楽観を与える。どちらが正しいかではなく、自分がどんなフレームを選んでいるかを自覚することが重要だ。
心理学の知見を日常に活かしたい方は、心理学の関連書籍も参考になります。