アンカリング効果とは
概要
アンカリング効果 (anchoring effect) とは、最初に提示された数値や情報が判断の基準点 (アンカー) となり、その後の推定や意思決定に偏りを生じさせる認知バイアスである。ダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーが 1974 年に報告した。「国連に加盟しているアフリカの国の割合は、65% より多いか少ないか」と聞かれたグループは、「10% より多いか少ないか」と聞かれたグループより大幅に高い数値を回答した。
| 先に示された数字 | 聞かれたこと | 回答の傾向 |
|---|---|---|
| 65% | 国連に加盟しているアフリカの国の割合は 65% より多いか少ないか | 10% を示されたグループより大幅に高い数値を回答した |
| 10% | 同じ割合は 10% より多いか少ないか | 65% を示されたグループより低い数値を回答した |
問われている事実はどちらのグループも同じなのに、直前に見た数字だけで答えが動く。報告者はダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキー。
質問箱でのアンカリング
質問箱を始めたばかりの頃に受け取った質問や、最初に見た他の人の Q&A が、「質問箱とはこういうもの」という基準を作る。最初に面白い Q&A を見た人は、自分の質問箱にも面白さを求める。最初に真面目な Q&A を見た人は、真面目な質問を送る。
回答の長さにもアンカリングが働く。最初の回答を長文で書くと、フォロワーは「この人は長文で答える人だ」と認識し、長文で答えられるような深い質問を送るようになる。短文で答えれば、軽い質問が集まりやすくなる。
| 最初の回答の書き方 | そのあとに届きやすくなる質問 |
|---|---|
| 長文でしっかり書く | 「この人は長文で答える人だ」と認識され、長文で答えられるような深い質問が届くようになる |
| 短文で軽く返す | 軽い質問が集まりやすくなる |
最初の数回の回答が、その後の質問箱全体のトーンを決めるアンカーになる。
最初の回答が大事な理由
アンカリング効果を踏まえると、質問箱の最初の数回の回答が極めて重要だと分かる。最初の回答が、その後の質問箱全体のトーンを決めるアンカーになるからだ。
「こういう質問箱にしたい」というイメージがあるなら、最初の回答でそのトーンを示すこと。面白い質問箱にしたいなら、最初からユーモアを交えて答える。真剣な相談に乗りたいなら、最初から丁寧に答える。最初のアンカーが、質問箱の方向性を決める。